スパイダーバースとプロメアの感想を書く。 

以下の文章の末尾のすべてに『〜と思うけどわからん』がつくものとします。

スパイダーバース

そもそも、スパイダーバースは2014年〜2015年にかけて、連載されていたマーベルコミックである。 > スパイダーマンの天敵と呼べる存在「インヘリターズ(英語版)」と戦うため、さまざまな次元のスパイダーマンたちが集結して戦う物語である。

そんなスパイダーバースの映画がメディア化されたので、早速見てみた。元々のコミック版スパイダーバースとはかなり異なる物語ではあるが、スパイダーバースたる核の部分はきちんと抑えている。流石に、山城拓也は出てこないが原作の『複数のスパイダーマン』の特色を短い時間にうまく詰め込んでいる。 『複数のスパイダーマン』をこの短時間でいかに詰め込むのか、というのが本作の課題であったのだろう。そこでとった作戦が、クセの強い奴らをかき集めて、少人数でもスパイダーバースの混戦を描き出した。このクセの強いというのは、圧倒的に今までのスパイダーマンとは一線を画すものである必要があった。例えば、スパイダーマンとスーペリアスパイダーマンとシンビオートスパイダーマンとアイアンスパイダーマンではいまいちピンとこない。ならばと、デザインの(等身や作風さえも)異なるスパイダーマンを登場させてきたのだ。 こうすると、作品全体の雰囲気やキャラクターデザインを統一するのは困難になる。同じように世界観の違うキャラクターが集う作品『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは、質感、等身、エフェクトが浮かないように既存のキャラクターに多少手を加え、馴染ませている。火炎のエフェクトはリアルだが爆炎は陰影が薄くフラットだ。 こういった『こだわり』を持って基礎とする世界に馴染ませる方法の他にもう一つやり方がある。元々の世界を様々なデザインが入り乱れるようにすることだ。

スパイダーバースでは質感のリアルさ、アニメーションキャラクターに加え、グリッチエフェクトが多用される。グリッチとは簡単に言うと『ゲーム画面がバグってガチャガチャになる』アレのことだ。マゼンタカラーや原色が多用されてゴチャゴチャした色合いを生み出す。それと同時にスタイリッシュさ、レトロフューチャー感を生み出す。レトロフューチャーというと、まず思い浮かぶのは『Fallout』だが、あれは1950年代。それとは少し進んだ80sエレクトロなデザインと演出を現代のエフェクトで描き直した。

グリッチエフェクトの効果により、キャラクターが別世界の存在であることを受け入れるための視覚効果が生み出されている。よくカタカナでなにか書いてあるダサかっこいいロゴを見かけるアレだ。未プレイなので、わからないが『VA-11 HALL-A』のサイバーパンク感とキャラクターの繋ぎ目も根底にあるレトロフューチャー感だと思っている。やりたい。

こうして、キャラクターの個性を殺さずに混沌渦巻くスパイダーバースの世界に調和をもたらしたのではないだろうか。

80年代エレクトロはこんな感じ、たぶん

プロメア

これと同じ80sエレクトロの世界を醸し出している作品『プロメア』。物語はいつものアレである。すごく良いのだ。主人公ガロとリオの対立から始まるストーリーだ。

この作品も2時間程度で納めきるのが難しい作品だと感じた。特に『天元突破グレンラガン』『キルラキル』、共に悪い意味でなく『ダサい』のだ。ガンメンはどこか野暮さが抜けないし、服が話したり変身したり。なんだ、 襲学旅行 って。

今回はそういった野暮ったさやシリアスな笑いを大きく削ってきた。2時間で世界観を説明するのは難しく、シリアスよりも笑いが勝ってしまって作品の軸がブレると考えたのだろう。そういった点で新規を増やす、収益を狙った堅実な作品であると思えた。

これだけでは無い。声優には、ドラマ等で多く活躍している俳優を起用した。こういう事をすると『豪華声優ってそういうことじゃねぇよ!』なんて話が出るが、プロメアは見事に役を演じきった。特に話題になったのはクレイ役の堺雅人であろう。キャラクターの持つ二面性や、穏やかさと荒ぶりの両方を見事に表現したと言えるのではないか。後半少々気になる点はあったが、充分に受け入れられる。むしろクレイのキャラクター性を引き立ててすらいる。リオ役早乙女太一は序盤こそ不慣れであったが、後半にはもはや専業の声優と遜色ないレベルであった。あと、柿原徹也に声が似てる。ジンキサラギか?ガロに関してはポスターをもう一度見るまで俳優であることを忘れていた。声優たちも去ることながら、教育者、表現者として明確にしたいものがあったからこそ

多用される『炎』のエフェクトはローポリの3Dでできており、CG黎明期の雰囲気を感じさせる。『スターフォックス』のような面の少ないCGと既存のキャラクターを融合させる手法は前述のスパイダーバースの世界と似ている。燃焼に質量を持たせた表現は革新的と言える。

そして本作には記号が散りばめられており、『△』が炎、『□』は氷、☆』は生物、『○』は作中の研究施設で多用される。更に色もそれぞれ『紫』が怒り、『青』は落ち着き、『緑』に優しさが割り当てられている。リオの髪色の緑は炎の色、紫と補色になる。

こうした徹底的な記号化がプロメアを濃縮したエッセンスなのである。

以上、素人の感想でした。

たまたまここを読んだ人が、たまたま信じちゃって、友人に語って恥をかいても責任は負いませんのであしからず……⏎